更新日:2026年6月11日

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GitLab:エージェント型エンジニアリング時代のプラットフォーム

GitLab Transcendで発表した内容と、エンタープライズに必要な統制を維持しながらエージェント型の開発スピードを実現する方法をご紹介します。

GitLabのカスタマーイベント「GitLab Transcend」が閉幕しました。ロードマップ、成功事例、業界調査を公開したこのイベントで発表・デモを行った内容をご紹介します。

  • 次世代ソースコード管理:エージェントスケールの並行処理に対応すべく再設計したGitエンジンをプライベートベータとして提供開始
  • GitLab Orbit:ソフトウェアライフサイクル全体のコンテキストグラフをパブリックベータとして提供開始
  • エージェント向けセキュリティ・ガバナンス:エージェントのあらゆるアクションにID管理、ポリシー、監査、承認フローを適用する機能をプライベートベータとして提供開始
  • GitLab Duo Agent Platform:エージェントがイシューを引き受け、コードをレビューし、パイプラインを修正する、開発者の集中を途切れさせないオーケストレーションシステムを1月より一般提供開始
  • GitLab Flex:AI導入の実態に合わせて柔軟に変更できる購入モデルの注文受付を開始

エージェントを使ったコーディングはかつてなく手軽で速くなっています。1,500名以上の開発者・技術リーダーを対象とした調査では、91%の組織が2つ以上のAIコーディングツールを導入しており、54%は3つ以上を活用していることが明らかになりました。一部のお客様のコードベースは、1年間で最大5倍に拡大しています。ただし、管理されないスピードは混乱を招きます。

Transcendの全セッションはオンデマンドウェビナーでご覧いただけます。

エージェント型コーディング:スピードと混乱のはざまで

多くの組織にとって、イノベーションのペースを上げる手段はAIコーディングでした。しかし、断片化したソフトウェアライフサイクル上に構築されたコーディングエージェントは、エージェント型エンジニアリングとは呼べません。非効率とリスクへの近道になってしまいます。

お客様の現場では、共通の課題が繰り返し見受けられます。人間のペースを想定したインフラは、SCM(ソースコード管理)においてマシンスケールの並行処理に耐えられません。エージェントはコードのコンテキストは持っていても、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)全体の文脈は持っていないため、大規模なモノレポで処理が滞り、コンテキストウィンドウが埋まるとリポジトリをまたいだ作業を放棄してしまいます。コード、依存関係、デプロイメントの変化速度は、チームのガバナンス能力を超えています。そして従来の固定契約では、予測が最も難しい時代に、シートやクレジットを1年先まで見越して確約しなければなりません。

調査結果にもこの負荷が表れています。73%がコードのメンテナンスに不安を抱えており、SDLC全体で生産性向上を実感しているのはわずか21%です。

これはスピードを落とす理由ではありません。エージェント型コーディングのスピードを高いROIに変えるインフラを構築すべき理由です。

エージェント型コーディング × GitLabエージェント型インフラ:スピードと統制の両立

GitLabはすでに、企業がソフトウェアを構築・出荷するプラットフォームとして広く採用されています。SCM、CI/CD、ガバナンス、デプロイメントなどをすべて一か所に集約し、現在5,000万人以上のユーザーと10万以上の組織にご利用いただいています。あらゆるソフトウェアチームと、そのコード・パイプライン・本番環境に関わるエージェントの動線上に位置しています。

このプラットフォームは、人間とエージェントのどちらが作業しても同じように機能する4つのパートで構成された生きたシステムです。モーターシステムはエージェントスケールでの実行を担い、ソフトウェアのビルドと出荷を支えるソースコントロール、パイプライン、デプロイメントを担当します。ナーバスシステムはエージェントと人間のすべてに、的確な判断を下すためのコンテキストを提供します。イミュニティシステムはあらゆるアクションにプロアクティブなガバナンスとセキュリティを適用します。

そしてオーケストレーションシステムが残り3つを統合し、チームとエージェントがライフサイクル全体にわたって作業を計画・実行できるようにします。作業を担う「頭脳」が人間であれエージェントであれ、この4つすべてを活用できます。

GitLabエージェント型インフラの円グラフ

Transcendでは、これらのイノベーションと新しい購入プログラムを発表し、GitLab Duo Agent Platformによるインテリジェントオーケストレーションとの統合をデモでお見せしました。

モーターシステム:並行処理のために再設計した次世代SCM

ここでは特にSCMに注目します。エージェント負荷のもとでGitのバックエンドが限界を迎えているためです。

Gitは分散した開発チームのために設計されました。リポジトリ全体をクローンして作業し、世界中の数百人が並行して開発できるブランチとマージの仕組みを備えています。しかし、チームメンバーそれぞれが数百のエージェントを動かすと、このモデルは破綻します。

  • クローンコスト:1ファイルを読み込むだけでも、エージェントごと・リトライごとにリポジトリをクローン。
  • 並行処理の崩壊:数千のセッションが人間スケールのバックエンドに同時アクセスし、ボトルネックと可用性の不安定化を招く。
  • 分離の欠如:エージェントがアカウントとブランチスペースを共有するため、リポジトリが汚染され、作業を破棄するクリーンな方法も、どのエージェントが何をしたかの記録も残らない。

そこでプライベートベータとして次世代SCMのプレビューを公開しました。後方互換性のためにGitプロトコルを維持しつつ、バックエンドとインターフェースをエージェント向けに再設計しています。任意のリポジトリでエージェントを動かし、数千規模に並列展開し、安全に試行錯誤できます。

私たちのチームはアーキテクチャの方向性を検証してきました。同じGit互換性と監査性を保ちながら、最初からエージェントアクセスを念頭に置いて設計された異なるエンジンを搭載しています。

次世代SCMの統計

初期の社内テスト結果は有望です。トークン数は最大2分の1、処理時間は最大50倍高速化、ネットワークトラフィックは最大1,000分の1を達成しています。

ナーバスシステム:GitLab Orbit — エージェントの難問に答えるコンテキストグラフ

エージェントはコードの記述は得意ですが、その周辺システムのナビゲーションは苦手です。触れているコードは見えていても、ライフサイクル全体は見えていないため、その差がムダな作業として表れます。

大規模なモノレポでは、エージェントが過剰なイテレーションとトークンを消費し、回答を得るまでに時間がかかりすぎます。リポジトリをまたぐ場合、コンテキストウィンドウが埋まってエージェントが処理を諦め、完全に失敗することもあります。結果として正しく見えても後でリバートされる成果物が生まれ、チームはエージェントが節約したはずの時間を修正作業に費やすことになります。

現在パブリックベータ公開中の GitLab Orbitは、ソフトウェアライフサイクル全体のコンテキストグラフです。コード、作業アイテム、パイプライン、デプロイメント、本番シグナルをリアルタイムで単一のグラフにマッピングし続けることで、エージェントは断片的なシグナルではなくファーストパーティのコンテキストから推論できます。エンジニアも同じグラフをData Explorerで照会し、変更の追跡やインシデントの調査に活用できます。あらゆる意思決定が一つの信頼できる情報源に基づくことになります。

GitLab Orbitの統計

初期の社内テストでは、Orbitを活用したエージェントは応答速度が最大11倍向上、コスト効率は最大4.5倍改善、ハルシネーションは最大45分の1に減少しました。

お客様のCompare the Marketは、同一のプロンプトとモデルを使用して、GitLab OrbitとRAGベースのアプローチおよびコンテキストなしのベースラインをA/Bテストしました。その結果、グラフを活用したエージェントはインラインレビューコメントを正確な場所に配置する精度が70%(0.696)に達し、RAGの58%(0.577)を上回りました。Compare the Marketは実際の79件のマージリクエストでこのアプローチを検証し、コメント配置精度においてグラフベースのコンテキストが従来の検索手法を凌駕することを確認しました。

関連記事:GitLab Orbitのご紹介:コードとライフサイクルの全コンテキストを一つのクエリで

TranscendハッカソンでOrbitを活用しよう

Orbitを実際に試してみませんか?2026年6月10日〜24日、Transcendハッカソンではライフサイクルコンテキストグラフをテーマに、コミュニティ参加者を募集しています。Orbitのコードベースに直接コントリビュートするほか、その上にエージェント・フロー・スキルを構築してAIカタログに公開することも可能です。

経験豊富なコントリビューターから初参加者まで、どなたでも歓迎。賞金もご用意しています。詳細はこちら

イミュニティシステム:エージェントのためのセキュリティとガバナンス

エージェント時代には、チームが管理すべきセキュリティとコンプライアンスのリスクが際限なく増え続けます。エージェントのコード出荷が速くなればなるほど、脆弱性の出荷も速くなります。このサイクルは連鎖します。エージェントが生成するコードが増えるほどカバレッジのギャップが露呈し、スキャンが増えるほどトリアージすべき検出結果が増え、エージェントが増えるほどそれぞれが正しいポリシーのもとで正しい行動をとったことを証明する必要性が高まります。

このサイクルに対応するため、GitLab Ultimateをベースにエージェント向けセキュリティ機能を追加し、エージェントのガバナンス機能を導入しました。

エージェント向けセキュリティ機能はリスクの露出面に対処します。エージェントが脆弱性を生み出すのと同じ速度でスキャン、トリアージ、修正を行い、生成されるボリュームが担当チームを圧倒しないようにします。

プライベートベータ公開中のエージェントのガバナンス機能は、信頼の確保に対処します。エージェントがスケールでコードをプッシュし、依存関係に触れ、デプロイメントをトリガーする環境では、問うべき問いが「スキャンしたか?」から「どのエージェントが、どのポリシーのもとで何をしたか、証明できるか?」へと変わります。

エージェントのガバナンス機能は、エージェントのあらゆるアクションにID管理、ポリシー、監査、承認フローを適用します。組織全体にわたる入力、推論、ツール呼び出し、高リスクまたは異常なアクティビティをリアルタイムで可視化。予期しない事態が発生した際には、実行コンテキストと監査証跡がすでに揃っています。何が変更され、どのポリシーが許可し、誰が承認したかが明確にわかります。

オーケストレーションシステム:GitLab Duo Agent Platform

上記の機能はインフラです。GitLab Duo Agent Platformは、これらを開発者の日常業務に統合するオーケストレーションシステムです。一般提供開始を発表した1月以降、週間アクティブユーザー数は10倍に成長しました。

ソフトウェア開発の摩擦は、作業そのものにあったわけではありません。開発者はコードを書き、レビューし、パイプラインを修正する方法を知っています。問題は、各ステップ間での頭の切り替え、待ち時間、引き継ぎにあります。そこで時間が漏れ、集中が途切れます。

GitLab Duo Agent Platformでは、エージェントがこのループ全体にわたって機能します。スコープが明確なイシューを引き受けてマージリクエストを作成し、汎用的なベストプラクティスではなくチーム独自のルールに基づいてレビューし、返ってきたレビューフィードバックを解決します。

品質は独立した評価でも裏付けられています。GitLab Duo Code ReviewはMartian Offline Benchmarkでスコア付けされたAIコードレビューツールのトップ5入りを果たしました。また、これらのフローはイベントトリガーで自動実行できるため、パイプラインの失敗を複数のエンジニアが作業を中断することなく診断・修正できます。コード変更が必要な障害と、単に再実行が必要なだけの障害をプラットフォームが判別します。

GitLab Flex:GitLab Flex:1つの年間コミットメントで、シートとAI支出を柔軟に調整

エージェント時代は需要予測を難しくしました。しかし、ソフトウェアの買い方はまだ追いついていません。半年先には必要なシート数も、チームのAI消費量も、有効にしたい新機能も分からない。それでも従来の契約はすべてを最初に固定し、更新まで変更を許しません。多めに見積もれば使われないシートに費用が発生し、少なめに見積もれば新機能の導入に毎回調達プロセスが必要になります。

GitLab Flexのチャート

現在利用可能な GitLab Flexは、この問題を解決します。一つの年間コミットメントで、シート、AI利用、新機能を毎月柔軟に調整できます。すべて同じ契約から充当でき、修正も新たな調達サイクルも不要です。チームがプロジェクトから離れたら、翌月の割り当てを別のチームやAI利用に振り替えられます。契約後に新機能がリリースされても、既存のコミットメントから有効化できます。シートと利用量を一つのコミットメントに統合しているため、導入状況の変化に合わせて予算を移動できます。(Flexが基盤とする従量課金の仕組みについては、GitLabクレジットのご紹介をご覧ください。)

関連記事:GitLab Flex:1つの年間コミットメントで、シートとAI支出を柔軟に調整

コーディングと出荷の違い

エージェント型コーディングは、旅の一部にすぎません。コーディングエージェントが変更を生成し、GitLabのエージェント型インフラがそれを全コンテキスト、ワークフロー、ガードレールに照らして検証し、エージェントが動作するスピードとエンタープライズが求めるスケールで安全に出荷できる状態にします。

今すぐ始める

GitLab Orbitはパブリックベータとして提供中です。ベータプログラムにご参加ください。次世代SCMとエージェントのガバナンス機能はプライベートベータで、早期アクセスはこちらからリクエストいただけます。エージェント向けセキュリティ機能はGitLab Ultimateでご利用いただけます。Duo Agent Platformは一般提供中です。GitLab Flexは現在注文受付中です。詳細はこちらよりお問い合わせください

GitLabのミッションは、すべてのチームが想像の速度で信頼できるソフトウェアを出荷できるよう支援することです。皆さんが何を生み出すか、楽しみにしています。

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